【読書レビュー】はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ

はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ

はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性

最近読んだ「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 『顧客視点』で考えるビジネスの課題と可能性」のレビューです。

読んだきっかけ

読んだきっかけは、仕事で企画をする中での話です。
自社サービスのユーザーとの接点をゼロベースで見直した上で企画をやろうと思い、「カスタマージャーニー」「サービスデザイン」等をキーワードに本を探し始めました。
ただ、このときの制約として、スケジュール的に余裕が無く、1週間くらいで大枠をつかむ必要がありました。
いくつかの本を書店でパラパラ見てみた結果、ざっくりと全体像を抑えるのに良さそうということで、本書「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 『顧客視点』で考えるビジネスの課題と可能性」に決めました。

「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ」のざっくり全体像

構成

全部で120ページくらいの本書は、6章の構成になっています。

  • 第1章:カスタマージャーニーマップとは
  • 第2章:ワークショップを成功に導くために
  • 第3章:マップを作ってみよう[B2C編]
  • 第4章:マップを作ってみよう[B2B編]
  • 第5章:事例で学ぶマップの活用
  • 第6章 マップからアクションにつなげよう

想定読者

本のタイトルが「カスタマージャーニーマップワークショップ」とあるように、カスタマージャーニーマップを作成するワークショップを開催する人向けの本です。
ですが、ワークショップで複数人でカスタマージャーニーマップを作成することを想定すると、当然カスタマージャーニーマップとは何か、各ステップがどのように繋がるのか、どのような視点が必要なのか、といったことを理解している必要があります。
その点で、ワークショップを開催する人でなくても、カスタマージャーニーマップの全体像を構造的に捉えるのに、ボリューム感含めてちょうど良いのではないかと思います。

「顧客視点」と言ったときに、BtoBのビジネスなのかBtoCのビジネスなのかによって、考えるポイントが変わってきます。
本書では、BtoC(第3章)とBtoB(第4章)とで作成プロセスの解説を分けつつ、どちらも共通のフレームワークで記述をすることにより整理しやすくなっています。
著者の加藤希尊さんという方は広告代理店→セールスフォース・ドットコムというキャリアとのことで、BtoB・BtoCどちらも幅広くビジネスの支援をしてきたことの表れなのでしょうか。

特徴

読んでいて良いと思ったのが、ワークショップを開催する人向けに作っていることもあり、カスタマージャーニーマップ作成に取り組むまでのハードルが低いと思えることです。
「はじめに」に以下のような記述があります。

「2時間半のワークショップで、1枚のカスタマージャーニーマップを完成させる」

そのとおりで、流れに沿ってやってみたら一旦作成できそう、と思えます。
第5章には、BtoC・BtoBそれぞれの事例も載っています。
BtoCではバレエ用品のチャコット、ウェディング・宿泊事業のバリューマネジメント、クレジットカードのJCBの3事例が、BtoBではHR領域のビズリーチの提供する採用管理システム、飲食店向け予約サービスのトレタ、そしてNewsPicksで知られるユーザベースの「SPEEDA」の3事例が記載されています。
実際、企画を進めるにあたってサクッと作ってみて、こんな感じなんだな、というイメージが湧きました。
その際には一旦自分一人で作ったのですが、他の人たちも巻き込んで作ってみたらさらに広がるでしょうね。
カスタマージャーニーマップやリーンキャンバスのようなフレームワークって、複数人で認識を共通化することに意味があると思っているので、それにライトに取り組めそうなのは良いと思います。

次のステップ

社内ワークショップの実践

今のところ自分1人で「作ってみた」状態で、一旦企画としては動き出そうとしています。
それを踏まえて、次は他のメンバー含めてワークショップ形式でカスタマージャーニーマップを作る、ということに取り組んでみたいと思います。

また、社内の勉強会で、自社サービス以外のカスタマージャーニーマップ作成をやってみる、というのも面白いかもしれません。
社外の人も参加できる勉強会で何か1コマ講師(と呼べるほどでもないですが笑)をやらないといけないので、ワークショップはちょうどいいネタだなーと思います。

本書は、ワークショップをやる際に使えそうなツールもダウンロード可能になっています。
例えば、顧客との接点を表すカードや、ペルソナシートなど、ベースとなるものを簡単に用意できるのはありがたいですね。

知見を深める・広げる

実践してみるのと並行して、知見を深めたり広げたりすることにも取り組んでいきたいところです。
本書はあくまで「”はじめての”カスタマージャーニーマップワークショップ」なので、これをきっかけに他の書籍などに手を付けてみたいと思います。
カスタマージャーニーマップやサービスデザインといったキーワードで気になっているのは次の4冊です。

「マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方」
(少しマーケティングオートメーションに寄っているかもしれませんが。)

「マッピングエクスペリエンス ―カスタマージャーニー、サービスブループリント、その他ダイアグラムから価値を創る」
こちらはオライリーから出ているUX設計に関する本です。

「これからのマーケティングに役立つ、サービス・デザイン入門 -商品開発・サービスに革新を巻き起こす、顧客目線のビジネス戦略」
こちらはサービスデザインの入門書です。

「CX(カスタマー・エクスペリエンス)戦略: 顧客の心とつながる経験価値経営」
経営とカスタマー・エクスペリエンスの関係性、という文脈でしょうか。

終わりに

はじめて読書レビューなるものをしてみました。拙い書評にお付き合いいただきありがとうございました!
またカスタマージャーニーマップのワークショップの実践などできたら記事に書きたいと思います。